中学校技術・家庭科学習指導資料-040/50page

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40〜60Ω位である。各W数の安定器を回路計を使って抵抗値を測定してみましょう。
(2)働き
安定器の働きを大別すると,次の二つに要約することができる。第一は,けい光ランプが放電をはじめるのに高い電圧が必要なので,これをあたえる点燈始動の役目である。例えば,けい光燈スタンドは,点燈するときに点燈スイッチを押し,それから離すことになるが,押しているときは,けい光ランプの両電極は加熱されているのである。スイッチを離した瞬間にけい光ランプは点燈するのである。これは,スイッチを切った瞬間,電磁誘導作用により,安定器のコイルに高い電圧が発生し,けい光ランプの電極にあたえられて放電をはじめたためである。
第二は,けい光ランプがいったん点燈すると,電圧を下げて,放電を続けるのに適した電圧(45〜60V)にするためである。安定器は直流に対しては,ほとんど抵抗の作用を示さないが,交流に対してはかなり高い抵抗作用を示すのである。(詳しくは,誘導電動機の(7)解説1)コイルと交流回路の,ア.コイルの抵抗作用を参照してください。)
けい光ランプは,放電がはじまると,雪だるま式にランプ内を流れる電流が大きくなる性質がある。電流が大きくなればなる程安定器にも電流が流れてくるが,その電圧降下も大きくなることから,けい光ランプに加わる電圧は自動的に少さくなって電流を制限するのである。特に安定器とよばれるのはこのためである。
1)けい光ランプの点燈実験
図−2
図−2
図−2のように,けい光ランプの両端ピン1箇ずつをミノムシクリップではさみ,並四トランス(三球式ラジオ製作時使用した電源用トランス)の2次側AC230V端子に一方を接続する。次に,1次側0〜100Vの端子とスライダックの2次側端子に接続する。スラィダックで徐々に電圧をあげていき,けい光ランプが点燈したときの電圧を電圧計(回路計を交流電圧計にして)で読みとる。
この実験から,けい光ランプの点燈は,電源電圧100Vでは点燈しないことがわかり,点燈させるためには,高い電圧が必要であることを理解することができる。(なお,電源電圧の降下などで,点燈しない場合は,トランスの容量の大きいものを使用するとよい。)

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