中学校技術・家庭科学習指導資料-047/50page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

しかし,測定結果の整理中に質問がないとは限らない。その場合には,図−2の図解程度の説明を加えるべきだと思われる。
次に,(V1)と(A)の実測直より,電力を計算してみよう。この電力は,皮相電力といって見かけの電力なのである。けい光燈の正味の電力は,この皮相電力より小さいのが普通である。
各校には,電力計(ワットメータ)がないので測定は不可能であるが,図−1で使用した押しボタンスイッチ式けい光燈の安定器をみてみよう。そこには,例えば,15Wのけい光燈なら,100V,50Hz(50c/s),0.3A,19Wのように表示されている(もっとも各製造メーカによっては表示の仕方が異る場合がある。)のを見ることができるであろう。この場合,正味の電力,つまり,けい光ランプの電力と安定器の電力の和が19Wであると考えることができるのである。また,(V1)と(A)の実測値がそれぞれ100V,0.3Aであるならばこの皮相電力と正味の電力の比を求めると,19/30=0.6333…となる。小数点以下3位を四捨五入すると0.63になる。この0.63は,皮相電力が正味の奄力になる割合(つまり0.63倍)と考えることができる。これを力率と呼び,%で示すのである。
いま,皮相電力を電圧(E)×電流(I)で示し,正味の電力(交流電力)をPとするならば,
力率=P/EI=E×I×力率/E×I
となる。力率は一般的にはcosψ(ファイ)で示すのである。実際の授業においては生徒に力率について指導する必要はないと思われるが,交流電力は,交流電圧×交流電流の値より小さくなるぐらいでよいと思われる。
7 交流電力と力率
力率については,前述したとおりであるが,交流電力と力率について若干説明を補足することにしよう。
交流電庄や電流は,その方向と大きさが,たえず変化しているのはすでに承知ずみであると思われる。ところで,電気アイロンのように,内部が抵抗だけのものに交流を加えると,図−1(b)のようになる。
(a) (b)
(a) (b)
図−1

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。