小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告1977-023/42page

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領域 比較的理解されている内容 比較的理解が劣っている内容
物質とエネルギー   われる変化の様子と変化のし方に影響する条件について
 酸とアルカリの溶液を混合していく時の液性の変化は,5年生で取り入れられているリトマス試験紙の利用が効果的に行なわれて比較的よく理解されてきている。  しかし,この問題は表面に現われた現象の変化の知識だけであって,中和反応の本質的な理解までは十分でないと思われる。  異なった性質の溶液を混合したときの変化についで酸・アルカリが関係したものは割合によくできている。酸・アルカリの性質の一般化が理解されてきている。  水溶液の中に金属を入れてその変化をみる問題も,現象面はよく記憶されている。
4.鉄の赤さびの学習も相当よく学習の効果が現われている。  これらのよく理解されている分野に共通してみられることはそれ程難かしい実験でないので相当よく実験・観察が行なわれており,それらの現象の結果についての知識・理解が相当進んできたためと考えられる。
もりの大ききを求める問題で,昭和46年度の正答率27.5%,本年度が36.8%で,やや向上はみられるが,正答率は非常に低く,誤答の大部分は,8Kgや4Kgとなっている。これには第5学年で,学習しているてこのはたらきによって考察させ,ある程度のドリルが必要と思われる。
2.問題2の燃焼生成物に対する解答のうち,正答エの方が極端に低くなっている(16.4%)。燃焼の問題は問題1のろうそくの燃焼もあるがいずれも50%以上の正答率なので,上に述べた低率が特に目立っている。それは,個々の燃焼現象については,実験の観察から理解されても,基本的な燃焼の仕組み即ち,燃焼の質的変化(化学変化)の理解が完全でないためである。  また,問題2は地区によって正答率にかなりのひらきがみられる。
3.問題8(鉄さびの性質)が前回より劣っているのは,黒さびは赤さびに比べて,実験の技法にやりにくい点があったりして,余りよく理解されていないためである。
4.問題3,問題4(2)はともに酸・アルカリの中和反応を,実験観察から得られる現象から,もう一歩立ち入った知識を問うているが,前回とほぼ同じ17%台の正答率になっている。  中和反応の現象面はリトマス紙などの使用によって正しくその変化を知ることができる。しかし,溶液内で起こっている質的な変化は視覚でとらえることが難かしいので,質的変化の追求が不足して,化学変化の本質的な学習がなされていない。  この教材の現象面はやさしいが,内容は高度なものなので実験をとり入れ指導面の工夫が必要である。

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