小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-022/63page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


誤答傾向としては,
ア―40%  イ―30%  ウ―30% ,となっている。この場合の,選択肢から考えると, ア→もれる, イ→もれる, ウ→燈,の意味が,きめ手となっている。いきなり,様子・心情と,進まないで,事柄をしっかり読みとらせることが大切なことを示している。

[3]読む(文字)

(1)ことばの基本形がわかる。

 ことばを国語辞典で調べる場合,大切な前提条件となる能力である。ここでは,

にくまれ続ける。→正答率 44.6%
つつましくひかえめの→正答率 76.6%  基本形を書くことを求めている。
 にくまれ続ける の基本形を誤ったものの90%が,にくまれるとしている。にくむという基本形に思い至らなかったのである。受身の助動詞のためであろう。

[4]読む(語句)

 この領域は,小問24のうち,9問が下がっている。一番下がったのは,「簡単」の反対語,「複雑」を選ぶ問題である。それでも正答率は,84.9%である。
 特にできの悪いのは,五の2である。これは,「文脈の中で語句の意味をつかむ」問題で,26.2%の正答率である。誤答傾向は次のようになっている。

おをひく,
  ア 事実におを引いて
  イ 長くおを引いて
  ウ ねこがおを引いて
  エ あのときのきずがおを引いて

エア→32%  エウ→10%  エだけ→32%  その他26%

この問題が低率なのは,「二つ選ぶ」とあるのに,ひとつしか,選ばないものが約半数いることである。しかも,正答のひとつである。エを選んでいるものが,32%いる。また,このような,慣用句的な,意味のズレてくる語句の理解が,苦手な子の多いことによるものであろう。辞書的な意味をおさえるとともに,ズレる場合もよく指導しなければならない。

[5]書く(語句)

ここでは,10問のうち,2問が,下がっている。

(1)文章の中で語句を正しく使う,(一の3)「きみのすばらしい活やくを→期待する」と続ける問題であり,80%の正答率である。

(2)敬語を正しく使う(三の1)

母はいま外出していて家には
  ア おりません
  イ いらっしゃいません
  ウ おいでになりません。

と問題であり,自分の母のことを,相手に伝えるということを,わからせることである。敬語の基本的な使い方を指導しておく必要がある。

[6]書く(文・文章)

小問が14あり,そのうち,4問が下がっている。

(1)「接続語,指示語を正しく使う」方をみる問題である。説明文などを,分折的に読むことが,行わているようであるのに,下がっているのは,指示語や接続語を,単におさえるだけで,内容とのかかわりを追求しないからであろうか。

(2)内容にあった文体を使って書きわける。(六の2)8.8%下がっている。誰が,誰に,たのんでいるか,読みとることが第一である。その上で,相手を考えて,それにふさわしい,ことばづかいを選ぶわけである。
○読む問題は,まだ「ことば,文,文章に即すること」が,ていねいになされていないのではないか。話し合いの前に,ひとりひとりが,読む時間を多くとるようにしてやるべきだと思う。
○書くことでは,記憶させるための,効果的な練習が何よりも必要であろう。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。