小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-021/63page
46年度と比較して正答率が下った問題を各領域ごとにみると,次のようになる。
領域 小問の数 下がった
問題数% [1] 書く(文字) 28 7 25% [2] 読む(文章) 27 5 18% [3] 読む(文字) 18 2 11% [4] 読む(語旬) 24 9 38% [5] 書く(語句) 10 2 20% [6] 書く(文・文章) 13 4 31% これをみると,読む(語句),書く(文・文章)書く(文字)の順で,下がっている。
[1]書く(文字)
この領域で正答率が下がっているのは,7問である。このうち,正答が,50%を割っている問題を中心に考察していくことにする。
(1)漢字を正しく書く
1)「態度」の「態」を書く問題の誤答傾向は次のようになっている。
「能」と書いたものが,最も多く,次が無答,ほかに,熊,帯,体,対,根,休などの誤りがみられた。
2)「招く」
無答が大部分であるが,捨く,詔く,直く,推く,拾く,廻く,昭く,打へんのみなどの誤りがある。
3)「券」
これは,半分以上が,刀と書くべきところを,力と書いている誤りである。ほかに巻,券,険,挙とまちがっていた。
4)「除く」
無答が多い。ほかに,覧く,臨く,拾く,捨く,省く,く,く,く,などの誤りがある。
5)「複雑」の複
これは,書きわけることができないで,「復」と誤ったものが多い。ほかに,福,腹,副,,,,などとまちがっている。
以上,漢字を書くことについての誤りは,次の三つにまとめることできる。
・音や訓の同じものをあてること。
・形の似た字をあてること。
・その漢字の一部を書いたり,よけいなものをつけ足したりすること。
これは,漢字を注意深く見させること,よみをしっかり覚えさせること。表意文字であることをよく理解させることが大切である。なお,光村教科書によると,態→初出,5年,15回 券→初出,5年,3回 除く→初出,5年,4回 複→初出,5年,18回 つまり,券は,6年までに3回しかでてこない字である。これを見ると,読解の時,教科書に出て来た時だけ指導しても,記憶させるのは容易でないと思われる。とり立てての指導が考えられねばならない。
[2]読む(文章)
小問,27のうち,下まわっているのは,5問である。正答率が,50%に達しない2問について考えてみたい。
(1)文・文章の続き方がわかる(六,2イ)誤答50問について調べたところ, ア→45% ウ→7% エ→48% となっている。(イが正解)これは,「おかあさんは」という主語をきちんと,とらえ「どうした」の述語をとらえることを第一に考えればよいのであるが,主語と述語の間に,語が多いので,まどわされてしまうらしい。エ,としたものが多いが,「弟が…………弟はおかあさんに」とって,くりかえしがあり,すっと続かないことを,感覚的に気づくようにさせたいものである。ふだん一つ一つの文を読ませる指導を大切にすべきであろう。
(2)場面や事物・心情を読みとる。(十,1)具体的には,「土間に燈がもれて」の意味がわかればよいわけである。そのためには,「土間」「燈」「もれる」のさし示す事柄が読みとらなければならない。そして,詩の前後の文と関連させて,様子を思いうかべることになる。