小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-024/63page

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 46年度と比較して正答率が下がった小問数は9問で,領域別にみると,[1]が1問,[2]と[3]が0で,[4]が6問,[5]が2問である。全体としては,80間中9問だけであるから,比率からするとさほど問題にすべきことはないように考えられるが,9問中6問が[4]の量と測定に集中していること,また,9問のそれぞれに指導の反省と今後の指導法の改善を示唆しているものがあると思われるので,小問ごとに考察を加えてみる。

[1]の10
 まず誤答の傾向をみると, 42×(1−4/7)×1/3 とすべきところを, 42×4/7×1/3=8, 42×1/3=14 としたものが多い。これは,文章題の中から,全体の4/7の残り を式に表現できないこと,その残りの1/3という量を求められないことに原因がある。このことはまた,問題を構成している要素のとらえ方,要素間の関係は握などに,線分図やベン図など視覚化したものを用いて解くことに慣れていないことをも意味していよう。分数の乗除を適用する問題としては高度な問題ではあるが,23.8%の正答率は余りにも低い,文章題を解決するための指導のあり方を改善する必要があろう。

[4]の1(2),(3)
 (3)の正答率が34.8%ときわめて低い。しかも,46年度よりも7.2%も低くなってきている。(2),(3)とも,いわゆる単位換算の問題であるが, 1m2=100cm2 , 1m3=1,000kl といった誤ったとらえ方が多い。単位換算の問題は,日常生活で用いられる割には算数教育の中でとりあげられる頻度が少ないことが,定着しない大きな問題点であろう。指導後の通過率が高い割に,は握率が極端に低くなる問題の1つである。
 このことを解決する特別な方法は考えられないが,もう一度スタートにもどり,面積や体積の単位は基本単位である長さをもとにして生れてきたものであること,そして,補助単位の相互関係や長さと面・体積の関係を具体的な,身近かな量と結びつけた指導を徹底することが大切であろう。

[4]の2(2)
 水の体積を求めることはできていながら,重さの単位に換算できないための誤答が多くみられる。水1m3の重さが実際にはどれぐらいあるのか,あるいは,1m3の水の体積とは具体的にどれぐらいなのか,量の大きさを実感的にとらえる経験が少ないための誤答がめだつ。単位体積の水の重さと重さの体位の指導では,児童の経験できる学校や家庭などでの具体的なものとどう結びつけていくかが,指導の改善に結びつけることになろう。

[4]の3
 比例関係から測定した値を求める問題であるが,異った2種の量を混合して, 120円×3=360円 といった誤答がある。一般には,100gで120円のとき,300gではいくらかといった問題が多いための誤答であろうと思われる。ただ,このとき,内包量のとらえ方に円/gといった考え,つまり1gでいくらかといった最小単位でのとらえ方が指導されているかどうかが,この問題のような解き方に生きてくる。このような考えが十分指導されていれば,300円でいくらの重さになるかを求めることから,1円あたりの重さはどうなるかといったとらえ方が容易にできてこよう。これを,比例式のような, 100:120=x:300 から求めることを機械的にしていくことになると,量のとらえ方が具体的なものにならないため,新しい場面での応用力が伸び悩むことになろう。

[4]の6(2)
 角柱の表面積を求めることは,計算そのものはけっして難かしいものではない。表面積ということばのとらえ方が不十分なための誤


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