小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-025/63page
答が多い。表面積をとりあげることが少なくなってきたことが大きな理由と考えられる。
[4]の7(1)
正答率そのものは,0.6%ほど下がっているが,46年度の正答率が95.5%という高い数値からして,正答率での比較そのものに余り意味がない。むしろ,前回も今回も,展開図の基本的なもののとらえ方が十分になされている数値としてとらえていくことの方が正しいと思われる。
[5]の3
この問題のつまずきには,2つの原因が考えられる。1つには,文章の中から 4,500:7,500 という比をとり出すことができないことと,この比を最も簡単な整数の比に直すことができないことである。 18:24 を簡単な整数比に直すことが84.8%と高い正答率を示しているのに対して, 1/2:5/6 になると51.9%というように大きく正答率が下がることから考えることができる。
つまり,前者の場合は 18=3×6, 24=4×6 というように暗算で6をみつけられるのに対して, 1/2:5/6=1/2×6:5/6×6=3:5 といったプロセスをたどることができないためである。
したがって, 4,500:7,500=45:75=9×5:15×5=9:15=3×3:5×3=3:5 といった計算のできないための誤答であると考えられる。
[5]の10(3)
46年度においては,順列や組合せとよばれるものがとりあげられてから時間的に短いころであったのに対して,正式に場合の数がとり扱うようになってからは正答率が低くなったのはどうしてであろうか。
誤答例をみると,いろいろな場がありすぎて,どうしてその答えがでてきたのか理解に苦しむものも少なくない。中に多いのが,6とおりというので,これは,起こりうる場合の数の求め方が,形式的な計算になっていることを示していよう。つまり,3つの中から2つをとり出す順列という考えから, 3P2 で求められることを形式的に計算した結果と同じような,機械的なとらえ方をしている児童が多いように思われる。
場合の数は,具体的な操作や樹形図等を用いて求める習慣をもう一度考え,単に確率に結びつけていく将来のための素地作りといった考え方からぬけだし,数学のいろんな場面でとりあげられる場合の数を,おちこぼれなく,順序正しく求められるための指導が必要であると考えられる。
そのためには,複雑な場面をとりあげることなく,全ての場面を具体的にとり出して自分で確かめられる場を多くとりあげ,基本的な手法を確実に身につけられるための練習をしていくことが大切になってこよう。
つまり,素材としてとりあげていく内容や量が,場合の数の指導としては大切なウエイトをしめることをもう一度考えなおしてみることが'必要になってこよう。