小学校福島県診断標準学力検査問題分析結果報告-030/63page

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め,全体が20こまに分割されていることから,面積としては, 20×3/5=12 こまとなるという考えを用いた児童が意外に少なかったことからしても,分数という抽象数を具体的な量と結びつけた指導を,今後はもっと工夫していくことが必要であろう。

[5]の6(1)
 前回の正答率が18.9%に対して,今回が47.6%と高い伸び率を示している。この問題では,文学に対する抵抗がいかに大きいかを示しているといってもよいと思われる。文学を用いる問題として,[5]の9が20.3%の正答率であることからしても,量関係のは握の難しさと同時に,文字を用いた方式の難しさが,われわれの予想以上のものであることを改めて確認しておくことが大切である。
 とくにこの問題における文字は,最も難しいとされる変数としてのとらえ方であるから,指導にあたっては十分に留意していくことが要求される。つまり,ここでとりあげてある文字a,bは,それぞれ布の長さと代金を表す集合の代表元としての文字であるから,なぜ文字を用いるのか,文字を用いるとどのように有効かを理解させた上で導入していくことが大切である。

ことばの式 20円×布の長さ=代金
     ↓
フレーム式 20円×□=△
     ↓
文字を用いた式 20円×a=b

といったプロセスをていねいにたどりながら,文字のもつ有効性を強調し,比例関係における文字の導入をはかっていくことが必要であろう。


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