小学校理科教材指導のてびき-059/80page
13 気象観測機具
地球をとりまく大気圏では,大小の大気の対流が起っており,そのため種々の気象現象が見られます。これ等の現象を起こす原動力となっているのが太陽放射エネルギーなのです。このしくみを理解するため,新学習指導要領では
1年
2年
3年
6年
晴れた日や雨の日の空や地面のようす
日なたと日陰の地面のようすを比べて,地面の暖かさ乾き方,水の暖まり方などちがいがあることに気づかせる。
・雲及び風のようすは,1日のうちでも,また日によっても変わること。
・土,水の温度は,日なたと日陰とで違うこと。
・土,空気の温度は晴れの日と曇りの日とで違うこと。
・土,水及び空気の温度は夏と冬とで違うこと。
・気温は,日光によって暖められる地面の温度に関係があり,それらの変化のようすは似ていること。
・季節によって気温が違うのは,太陽の高さや昼間の時間の長さに関係があること。
以上が学習する内容の概略であるが,発達段階に応じて最終的には地球をとりまく空気・水・土の温度と太陽放射エネルギーのしくみをとらえ理解させようとしています。
児童が,この学習を通して,温度計,風向風速計,日照計等の観測機具を取り入れ観測し,データと最初の予想との違いを修正し,次は必ずといった期待をもって継続観察していく科学的態度を育成するためにも,機具を正しく取り扱う基本操作が必要です。
つぎの項から,気象観測機具の中から理振法で各校に準備されている機具について,その種類と取り扱い方について述べましょう。
1 気象観測機具
(1)最高・最低温度計
最高最低温度計で多く使われているものにはフース氏式の最高温度計とラザフォード氏式の最低温度計があります。
1)フース式最高温度計の構造と測り方
図64 指標