-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-020/170page
相馬の民謡
ハアー あの空あたりは,相馬の空かよ
ナンダーコラヨート「はあチヨーイ,チヨイ」
相馬恋しや,なつかしやナンダー コーラ ヨート
「はあチヨーイ,チヨイ」相馬地方は,まきに民謡の宝庫。おもなものをひろってみると,「相馬流れ山」,「相馬二遍返し」,「相馬甚句」「相馬盆唄」など,また,新しい民謡では,「新相馬節」といったぐあいに,20種にものぼる。
この地方は,相馬中村藩の領域を中心とするところで,現在の相馬郡,相馬市,原町市と双葉郡の一部の地域となろう。
鎌倉時代いらい,明治のはじめまで相馬氏の支配したところで,600余年の間,一領主が支配したところは全国的にも例が少ない。その為か他国の風俗などと混じることなく続いたこともあり,情諸豊かな領域をかたちづくってきた。
天明の大飢饉で相馬の人口の三分の二を失ったとき,遠く北陸の国から,多くの移民を招いたが,そのとき,相馬をほめたたえる宣伝歌として,うたわれたのが「相馬二遍返し」であると伝えられている。