教師のための統計入門-232/233page

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おわりに

本書は,教育センターにおける研修講座でお話したことをもとに,まとめたものです。本書をまとめるにあたりまして,前記の主な参考書,その他の方々の本も沢山参考にさせていただきました。ここに,厚く御礼中しあげます。

さて,本書は,三つの部分から構成されております。

第1部基礎編では,文字どおり統計学の基礎となる内容や考え方を,できるだけくわしく説明しました。とくに,統計的手法については,まず,その理論的根拠となる定理を取り上げて,これを大まかに解説し,その後に計算手順をまとめ,更に例題を解く,という三段階をふんだ説明をいたしましたが,理論的根拠に興味のない方は,計算手順と例題をお読みいただくだけで,十分理解できるよう配慮してあります。また,理論的根拠について,更にくわしく知りたい方は,前記の主な参考書の1と2などをごらんください。

また,本書で,数値計算は,電卓で行うことを前提にしましたので,例題の数値計算に対しては,すべて電卓による計算法(キーの押し方)を示しました。ただし,その計算法は,どのメーカーの電卓にも通用する方法にしましたから,必ずしも,能率的なものではありません。電卓の説明書をよくお読みになって,その電卓がもつ機能を十分に生かした計算法を工夫してみてください。

第2部質疑応答編では,第1部基礎編の話の筋を簡潔にするために,あえてそこでは取り上げなかった統計学の大切な内容を中心として,これを問いと答えの形式で解説しました。この第2部は,統計学に関する事典としても活用いただけると思います。

第3部実験的教育研究法とデータのまとめ方は,統計学の応用という,立場からまとめてみました。これを参考にされまして,まず,実験的教育研究に取り組んでみられることをおすすめいたします。

本書が,教育の研究に,少しでもお役に立てば幸いです。

執筆者 福島県教育センター

指導主事 渡辺十三


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