高等学校「理科1」のてびき-010/133page
生徒実験・実習・観察
(指導資料) 1 運動の記録 (1) (2)
1 ねらい
斜面上に台車を置き、台車の動きはじめからの運動を記録タイマーで記録し、テープの打点から運動の状態を推論し、グラフを解釈する能力を養う。
図1
2 時間配当
運動の記録(1) 1時限 運動の記録(2) 1時限
3 準備と手順の留意点
[1] 台車が走れる長さ1m、幅0.30m以上のなめらかな板
[2] 台車の後部に、記録用テープをセロハンテープでつける
[3] 記録タイマーは斜面上部にマスキングテープでつける
[4] テープの打点は間隔がだんだん大きくなる
[5] 板の上端の高さを変えて斜面のかたむきを大きくしたり、小さくしたりする。実験の時間を短縮するためにはグループごとにかたむきを変えるのもよい。
4 考察運動の記録 (1)
(1) 速度の変化を表すグラフ
(2) テープの幅は時間間隔を表す。
(3) かたむきが大きくなると、打点間隔も大きくなる度合が大きい。
(4) 右図のように、最初のテープの長さはテープを切った位置の時刻を0としたときの3打(ないし5打)後の時刻を表している。したがって、テープの半幅だけ右へ時刻をずらし、次のテープを上へのせるようにしてはりつけることになる。
図2
5 結果の考察 運動の記録 (2)
(1) 3打〜5打を単位としてテープを切るのはゆらぎと誤差を考えたからである。これが小さい場合は、時間間隔が小さいときの平均の速さ、即ち瞬間の速さになるわけである。
<V12>=x1-x0/t1-t0 V12=lim x1-x0/t1-t0
→x1-x0=△x t1-t0=△t ∴V=lim △x/△t=dx/dt
(2) テープの長さのふえかた(図1の斜線部分)が同じであることは、単位時間ごとの速さの増加が等しいということで、等加速度運動を表している。
(3) 図1より△V/△t=aで加速度を表している。