高等学校「理科1」のてびき-024/133page

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(指導資料) 4 エネルギー変換 (仕事と熱)

1 ねらい

(1) 摩擦によろ発熱を力学的仕事の熱変換機構としてとらえさせ、温度上昇は仕事に比例することを理解させる。

(2) 仕事量と発熱量の測定から熱の仕事当量の値を求めさせ、その物理的意味を理解させる。

2 方法

(1) 検体はアルミパイプと温度計からなり、パイプの熱が温度計によく伝わるようにする。

※ アルミパイプの片方を空気の出入を防ぐよう閉じ他端に温度計をさしこみ、すきまにグリスを充鎮し熱伝導をよくする。但しパイプの中にはグリスをつめないこと、熱容量は小さい方が成功する。

(2) 検体の熱容量の測定

1) 検体のパイプと温度計の先の部分までをビーカーの中の水に入れ加熱、沸騰したときの検体の温度を読みとる。

2) 小さなスチロールコップの中に検体の湯中の部分が没する程度に入れ、水の質量と温度を測定する。

3) 2)に1)を入れて、温度上昇と下降から検体の熱容量を求めておく。

(3)検体の温度上昇は時間的に5秒位遅れるので、室温より1.0℃から2.0℃位上昇してから測定するのがよい。また室温より10℃以上温度が高くなると放熱の影響で温度上昇が小さくなるのでデータとして望ましくない。注意が必要である。

3 考察(測定例から)

(1) 実験のデータ

m=3.0×10-1〔kg〕

C=4.3×10-1〔cal/deg〕

F1=1.8×10-1〔kgw〕

F2=1.8×10-1〔kgw〕

l=3.0×10-1〔m〕

△θ=2.8〔deg〕

実験のデータ

(2) 1) 5動作当りの力学的仕事

W=5l(F1+F2)

=5×3.0(1.8+1.8)×9.8×10-2

=5.3〔J〕


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