高等学校「理科1」のてびき-030/133page
力学的エネルギー保存則
1 ねらい
一物体の所有する力学的エネルギーは、外部との間に仕事の授受がない限り一定に保たれる。
このことを検証するわけであるが、下記の原理に示した力学的エネルギー保存則と、放物運動との関連からの式の変形についても充分な理解を深める。
2 準備
糸、鉄球、スタンド、電磁石、電源装置、かみそりの刃、カーボン紙、物指
3 原理と方法
いま、図1に示すように、質量がm、長さlの振子をAから自然に振らせ、振子が最下点Bに来たとき糸を切ってやると、おもりは放物運動をして、地上に落下する。
このときの
おもりの最下点Bでの高さをy、おもりのA、Bでの高低差をh、おもりの水平到達距離をxとすれば
Aでの位置のエネルギーEpは
Ep=mgh ― 1)
Bでの運動のエネルギーEkは
Ek=1/2×mV2 (ただし、VはBでの速さ)
ところで、放物運動では
y=g/2V2×x2
これから
V=√g/2y・x
∴Ek=1/2mV2
=mg/4y・x2 ― 2)