高等学校「理科1」のてびき-029/133page
(方法2)
Aでの位置のエネルギー Ep=mgh ― 1)
Bでの運動エネルギー Ek=1/2×mV2 ― 2)
また、放物運動では y=g/2V2×x2 ― 3)
3)から V=√g/2y・x
∴ Ek=1/2×mV2
=mg/4y×x2 ― 4)
このEk=mg/4y×x2と、Ep=mghを比較して、Ep=Ekの成り立つことを実証するわけである。(実験の具体的方法については、生徒実験の頁を参照されたい。)
4 結果の処理と考察
回 測定値(メートル) Ep=mgh〔J〕 Ek=mg/4y・x2〔J〕 y h=H-y x 1 0.239 0.315 0.545 Ep=m×9.8×0.315
=3.087mEk=m×9・8×0.5452
y×0.239×0.5452
=3.045m2 0.275 0.290 0.580 Ep=2.84m Ek=2.84m 3 0.250 0.425 0.734 Ep=4.17m Ek=5.28m 4 0.263 0.345 0.596 Ep=3.38m Ek=3.31m 5 0.265 0.421 0.542 Ep=4.13m Ek=2.72m
・表の中で、3回目と5回目を除いては、およそEp=Ekである。
3回目ではEk>Ep、5回目ではEp>Epで、かなり大きなちがいでみられる。これの主とした理由に、かみそりの刃の取り付け方の不適切があげられる。
つまり、3回目では、おもりは斜め上向きに投射された放物運動をし、5回目では斜め下向きに投射された放物運動と考えられる。指導の際、注意を要する。
5 その他
教育センター「高校物理指導資料」54年度版に、この実験の改良方法を示しておいた。参考にしていただきたい。