高等学校「理科1」のてびき-044/133page

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(指導資料) 9 気体反応における量的関係

1 ねらい

一酸化窒素NOと酸素O2との反応を例として、気体反応においては、反応する気体間の体積比が常に一定であることを、次の(1)〜(5)の内容を通して理解させる。

(1) 酸素O2と一酸化窒素NOの反応生成物である二酸化窒素NO2は、水に溶ける気体である。

(2) 反応する酸素O2と一酸化窒素NOとの体積の間には、簡単な整数比が成り立つ。

(3) 次の反応の係数比は、反応する気体間の体積比と同じである。2NO+O2→2NO2

(4) 気体反応の法則を理解させる。

(5) 気体では、同じ条件(同温、同圧)で同じ体積の中に、同じ数の分子が含まれていることを考えるための資料とする。

2 準備 試験管(内径15mm程度)、誘導管、水そう(大型のもの)、コマゴメピペット(5ml)、鉄製スタンド・メスシリンダー(50ml 3本)、銅片(2枚で1.3〜1.5g程度のもの)、6M―硝酸(30%硝酸でもよい)、実験用酸素ボンベ(例620ml 4.5l)、ゴム栓(切り込みを入れたもの)

・ゴム栓の切り込み

メスシリンダー(50ml)の内径にあったゴム栓に下図のように、カミソリで両側に切り込みを入れる。これを用いると、気体を少しずつ加えることができる。

実験方法

3 方法

(1) 銅片と6M―硝酸を反応させて、発生する一酸化窒素NOを水上捕集する。

注 ・ここで試験管を用いて気体発生装置としたのは、発生管内の体積をできるだけ小さくしたいためである。

  ・気体の捕集を早くするためには、静かに加熱してもよい。

  ・最初に捕集した気体中には、空気等の不純物が含まれているので、最初の50ml分はこの実験のために不適当であるので使用しない。

  ・この最初に捕集した気体はドラフト等で処理し、生徒に吸入させないようにする。

(2) 酸素O2を水上捕棄する。

注 ・過酸化水素H2O2から発生する酸素O2を捕棄してもよいが、ここでは気体反応が目的なので、実験を能率よく行わせるために酸素ボンベを利用する。

(3) (2)の酸素O2に、(1)の一酸化窒素NOを少しずつ、ゆっくりと加えて反応させ、その時の体積関係を求める。


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