高等学校「理科1」のてびき-045/133page

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4 実験例と考察

(1) 実験例

大型水そうで、メスシリンダー内外の水面を、できるだけ範囲内で一致させた場合の例。

メスシリンダーの目盛の読みと体積 最初 1回 2回 3回 4回 5回
メスシリンダー内のNOの目盛の読み 40.0 32.0 25.0 17.5 10.5 0
このとき加えたNOの体積 ml 0 8.0 7.0 7.5 7.0 10.5
これまでに加えたNOの合計体積 ml 0 8.0 15.0 22.5 29.5 40.0
メスシリンダー内に残っているO2の体積 ml 25.0 20.7 17.0 13.0 9.5 4.5

実験結果

(2) 考察

1) 実験で得たデーターをグラフ化し、捕集した酸素O2に対して反応する一酸化窒素NOの体積を、横軸との交点の値から読みとり、その体積比を求めさせる。

2) 反応式の係数は、反応する気体間の体積比を表していることを理解させる。

5 留意点

(1) 気体の捕集が終ったら、気体発生装置に水を加えてうすめ、溶液だけを捨てさせる。

(2) 気体の発生装置として、二又試験管を用いれば便利であるが、容器内の体積が大きくなり、不純物を含む気体が多くなるので留意する。この場合は最初の100mlは実験に使用しないようにする。

(3) 気体捕集が目的ではないので、前もって教師が用意しておいたNOを使用するのもよい。その場合には、生徒用実験方法の(2)より実験をスタートさせる。

(4) ここでは簡単なNOの発生方法を採用したが、比較的高純度のNOを捕集するには、次のようにFeSO4を溶解した硫酸に、NaNO2溶液を等量加えて振りまぜる方法もある。

・FeSO4溶液:FeSO4 27.8gと濃硫酸5.5mlを水に溶解して100mlとする。

・NaNO2溶液:NaNO2 6.9gを水に溶解して100mlとする。

(5) メスシリンダーの目盛を読むときには、内外の水面を一致させて読むことを指導する。ただし大型水そうがない場合は、できる範囲内で内外の水面を一致させるよう指示する。

(6) 加えるNOは、1回目のときに気泡を数えて、おおよその体積をつかませ、全体を4〜5等分するように指示しておく。

(7) この実験を高温で行うとNO2と水が反応するので、できるだけ20℃以下で行うようにする。

6 代替実験

演示実験の簡易ユージオメ一夕ーによる「水素と酸素の反応」を参照のこと。


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