高等学校「理科1」のてびき-067/133page
(7) 種々の大きさのつぼみを使い、(2)〜(6)の操作をして、減数分裂の各段階を観察し、スケッチする。
4 留意点
(1) ムラサキツユクサは丈夫な植物であり、花期も長く観賞価値も高いので、校庭のすみや校舎のまわりに植えておきたい。一度植えると手入れも不要でふえてゆくので、順次、株分けをすればよい。生物の実験では、もっとも便利な植物のひとつである。
(2) 減数分裂は、二回の引続きおこる細胞分裂であり、ごく小さなつぼみのうちから始まっているので、1mmにも満たないつぼみの葯からも、プレパラートを作ってみたい。
(3) この実験で、減数分裂のすべての過程を観察するためには、相当数のプレパラートを作らなければならない。したがって、分裂像の観察できたプレパラートは、そのまま顕微鏡に残しておき、何人かの生徒に供覧させ、スケッチきせるなどめ手段を考える場合もあろう。
(4) 減数分裂の模式図を手許におき、観察・スケッチしている細胞が、減数分裂のどの段階のものであるかを確認させる。スケッチをするときは、染色体の形・数・配列に特に注意するとともに、分裂中の細胞だけをできるだけ大きく正確に書くようにしたい。
(5) 分裂の模式図の順序にスケッチしたくなるが、どの段階であれ、見えたものからスケッチしてゆくほうが能率的である。多数のスケッチができたら、それを切り取り、模式図の順に配列してみると、減数分裂の理解が深まるであろう。
(6) 体細胞分裂の観察と異なり、押しつぶしの操作はないが、スライドガラスに葯の内容をぬりつけるとき、できるだけ薄くぬりつけないと、細胞が重なり合って、観察しにくくなる。
(7) 染色液は、一般的な酢酸カーミン液を用いると良い結果が得られるので試みてほしい。