高等学校「理科1」のてびき-122/133page

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(演示実験) 7 水溶液の電気伝導性と電気分解

1 ねらい

水溶液の電気伝導性については、中学校での既習事項であるが、再度実験することによって物質には電解質と非電解質力濁ることや、電解質は溶液中で正負のイオンに電離しているために電気分解されることを確認させ、イオン概念を深めさせる。

2 準備

電球(40W)、ソケット、プラグ、リード線、炭素電極、フィダ一線(電極用)、スターラー、ビーカー(200ml)、U字管、薬さじ、コマゴメピペット、試験管、食塩、砂糖、アルコール、塩化銅(2)溶液、1MHNO3溶液、6Mアンモニア水

3 実験方法

(1) 水溶液の電気伝導性

1) 図1のように装置を組みたてた後、ビーカーに純水を100ml位入れて、電気伝導性を調べる。

実験方法

2) 次にスターラーでかくはんしながら、徐々に砂糖を加えていくとどうなるか、観察させる。

3) 食塩、塩化銅、アルコールについても2)と同じように実験し、観察させる。

※ 点燈用装置は身近かなものとして、電気ス

タンドを用いるのもよい。この実験では100Vを用いるので、感電せぬよう十分気を付ける。

(2) 塩化銅(2)の電気分解


塩化銅(2)の電気分解

1) 5%塩化銅(2)の溶液をU字管に入れ、炭素、電極をさし込んで5〜6分間電気分解する。

2) 正極近くの気体をコマゴメピペットで吸いあげ、kIでんぷん溶液を試験管にとって、その近くで放出して、よくかきまぜ、色の変化を観察させる。

3) 負極の炭素棒をとりだして、水で洗浄して電解液を流した後、IMHNO3溶液を少量加え、静かに加熱して溶解させる。

溶解後、加熱してNO2や硝酸をできるだけ追いだしてから、冷却させ、6Mアンモニア水を徐々に加える。液が濃青色になることから、銅が生成したことを確認させる。この場合、あらかじめ銅線等既知の物質について、同様の実験を行うことによって、銅特有の呈色反応を利用して、銅の存在の有無を確認できることを知らせておく必要がある。しかし錯イオン生成についての反応にはふれる必要はない。


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