-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-000-06/231page
はじめに
子どもたちは,自然にふれ,見たり,探したり,育てたり,作ったり,ためしたりする実践的な活動が大好きです。
理科の学習は,自然の事物や現象にふれることからはじまります。新学習指導要領でもその点が強く打ち出され,自然そのものを調べる学習の中から,基本的科学概念や科学の方法を身につけていかせようとしています。しかし,自然界は,あまりにも複雑多岐であるため,自然を学ぼうとしてもなかなかその学習の方法を見いだしにくいものです。
当教育センターでは,理科における野外指導を推進するために昭和51年に「理科野外観察の手びき」を編集し各校にお配りし,野外観察指導にご利用いただいてまいりましたが,今回は更に一歩進めて,各学校周辺の自然を対象として,より具体的に
○野外における理科指導をどのように進めるか。
○学校周辺の自然を地学教材として,どのように活用するか。
の観点に立って,調査・研究を重ね,小・中学校における野外指導などの実践のための,より具体的な指導・観察方法の事例を示しました。
自然への働きかけに喜びが生まれる学習を展開するために,本書が参考になることを希望します。
昭和56年2月
所長 佐藤信久