-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-001/231page
1 福島県土の地学ガイド
福島県の地形や地質,その生いたちを考える場合に,単に福島県だけに目をとどめないで,東北日本での福島,さらに広く日本列島に占める福島という見方や,考え方で地学的なできごとを取扱うことが大切です。
まず,大きく東北地方の地形と地質構造のあらましを見てみましょう。弓張りの形をした東北地方は,右図のように地形や地質の特徴から南北方向に並ぶブロック・即ちa〜g地形区に分けることができ,それらの地形的特徴は
a:北上山地・阿武隈山地の東側にある海岸平野や丘陵地
b:北上山地と阿武隈山地
c:北上・阿武隈山地と奥羽山脈との間の低地帯(盆地や平野)
d:奥羽山脈
e:奥羽山脈と出羽丘陵・越後山脈の間にある盆地列
f:出羽丘陵と越後山脈
g:出羽丘陵・越後山脈の西側の海岸平野や丘陵地
ここで,目を県内にもどし,県内の地形区と東北地方の地形と対比してみましょう。
a:浜通りの平野や丘陵地,b:阿武隈山地,c:中通りの低地帯(盆地列)d:奥羽山脈,e:会津・田島盆地,f:越後山脈
このことから,福島県内に発達する地形は福島県独特のものでなく,東北地方に共通した地形を示していることがわかるでしょう。
東北地方の地形区