-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-004/231page
地殻変動で,断層,しゅう曲,隆起等の造山運動で標高800〜1400mにも達しており,これらの基盤岩の上を第四紀の火山活動で噴出した溶岩や,火山砕せつ物がおおって火山を形づくりました。これらの火山は現在も活動をつづけています。
5 奥羽山脈と越後山脈の間の低地帯
奥羽山脈と越後山脈との間の地溝性の低地帯は,南北に細長く会津盆地と呼ばれ,盆地と東西両側の山地とは断層で境されており,直線状になっています。両側の山地はともに新第三紀層からできていますが,それらの地層は盆地に向かってとう曲しています。低地帯の盆地には周辺の山地から土砂が運びこまれ,少なくとも150mほどの第四紀層がつもっています。
また,会津盆地の周辺の山地は,鮮新世の終わりごろより隆起し始めましたが,現在の盆地の部分だけがとりのこされました。
6 越後山脈
越後山脈は会津盆地の西側で,ほぼ南北方向に連なり,おもに新第三紀層や第三紀に噴出した火山岩類からできている丘陵状の山地が分布しています。
山地の標高は会津盆地の西側で400〜900mですが,それより北や南に離れるにつれて,山地の高さが増しています。この山地に発達する新第三紀層は,新潟油田地帯の地層に似ております。また,しゅう曲や断層の方向は,山地ののびている方向と一致しているのが特徴です。