-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-025/231page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


福島第三小学校

1、地層の観察

(1)観察する場所

 岩谷観音境内の壁像のがけ
岩谷観音境内の壁像のがけ

(2)がけから離れて地層全体を観察する。

 1)地層の全体が見通せる所に立って,がけの全景をスケッチする。

 2)地層の重なり方,葉理,地層の厚さ,色,がけの高さ,地層の割れ目,また,岩壁の仏像なども書き入れておこう。

 3)この岩谷観音のある信夫山の一かくは,淡黄色の砂より細かいシルト質のたい積物がつもってできていることを理解する。

 4)1〜3cmの厚さの砂層との境(層理)を追ってみよう。地層は水平方向に広がりをもってつもっていることを理解する。
岩谷観音境内の壁像のがけ

(3)地層に近づいて,その特徴を観察する。

 地層は水平に近い状態で観察されます。がけに近づいて触ってみよう。砂と粘土の中間ほどの粗さで,クレンザーのような感じをうけます。このがけをつくっている地層は,砂より細かいシルトと火山活動で噴出した火山灰が海底につもってできたシルト質凝灰岩からできています。

 このシルト質凝灰岩層にはさまるように1〜3cmの厚さで,やや粗い砂質凝灰岩からできている地層が観察されます。

 これらの地層は,穴原温泉の摺上川の川床に沿って観察される,天然記念である“さざなみの跡”を残している地層と同時代のもので,新第三紀中新世に


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。