-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-153/231page
共和小学校
1、地層の観察
(1)観察する場所
学校の東,高台のトマト畑のがけ
(2)がけから離れて地層全体を観察する。
1)畑の作物に注意して,がけの地層が見通せる所に立って,がけの全景をスケッチする。
2)地層の中に見られる葉理や,(C)層中の白っぽい沼のような模様や,地層の色など気付いたことを書き入れる。
3)この高台は,葉理の発達した(A),(B)層の上に無層理の塊状の白っぽい(C)層がつみ重なってできていることを理解する。
また,北側と東側のがけを見て,地層は水平方向に広がっていることを理解する。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
(A)層は淡黄色を帯び,葉理が発達した砂岩層で,地層は南北に近い方向に伸びており,15°ほどのゆるい傾斜で東に傾いています。
(B)層は(A)層に平行に重なっている頁岩層で,葉理が発達しています。
この(A),(B)層は中新世の中期のたい積層と考えられます。
(C)層は白っぽい溶結状の岩石で,近くでは黒森峠や背灸山で見られます。この岩石は石英安山岩質溶結凝灰岩と呼ばれる火山性たい積物で,以前にたい積した(A),(B)層の浸食された所に雪が降ったように埋め,つもっています。したがって(B)層と(C)層の重なり関係は不整合関係です。
この火山性たい積物は中新世の末期の鮮新世の火山活動で噴出したものと考えられています。