-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-154/231page
一箕小学校
1、地層の観察
(1)観察する場所
飯盛山,戸ノロ用水堰洞穴のがけ
(2)がけから離れて地層全体を観察する。
1)がけの地層が見通せる所から,洞穴のがけをスケッチする。
2)地層の色や,層理のような模様がないかどうか。がけのおよその大きさなど気付いたことを書き入れる。
3)白虎隊士の墓のある飯盛山では,このがけに見られる塊状の無層理状の白っぽい岩石がどこにでも見られるので,飯盛山はこの白っぽい岩石がつもってできていることを理解する。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
がけに見られる白っぽい地層の表面は風化しており,触わるとくづれてきます。このくづれた白っぽい砂を観察すると,1〜2mm大のガラスのような透明な粒が多く見られます。この粒は石英と呼ばれる鉱物です。
この地層は,会津盆地一帯がまだ湖底時代で,盆地周辺が隆起して山ができ上っていた中新世の終りの鮮新世から第四紀の洪積世の始めにかけて,猪苗代湖西縁から白河市にいたる広い範囲に火山活動に伴う噴出物が,ちょうど雪が降りつもるように谷や山をおおいつもりました。この活動でつもってできたものです。
地層をつくっている岩質は石英安山岩質凝灰岩です。この岩石は場所によっては熱風をともなって低地に流れ下り,途中で噴出物の一部が溶結して白河石のように溶結凝灰岩となっています。