-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-186/231page
きた地層で,写真でわかるように,粒が粗くなったり,細かく(シルト)なったりして層をなしてつもっています。
地層の色は淡黄色をしており,部分的に1cm〜5cm大の白っぽい流紋岩からできているレキを含んでいる。
また,がけの(A)層に30cmを越える炭化し,年輪がはっきりわかる木片が埋もっているのが観察できます。この炭化した埋木は,火山の活動でできたものと考えられます。
(B)層群は層理が発達しています。下部の豆石凝灰岩層は,ちょうど豆が入っているような地層です。このまるい小さなレキを取り出し,割って中を調べてみましょう。
このような豆石はどのようにしてできたのでしょうか。一説にはやわらかい火山灰地に大粒の雨粒が降ってできたと言われています。
中部には砂質の凝灰岩層がつもっており,上部に泥質の凝灰岩がつもっています。
(C)層の下部は5mm大のレキからなる砂レキ層で,上部には2cm〜3cm大の角レキがつもっているレキ層が観察できます。
これらの地層はいずれもまだ固結していない地層で,中新世の末に会津一帯が陸化し始めましたが,鮮新世の当時,西山一帯は湖となって,このがけに見られるような地層が湖底につもったのです。