学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-081/222page
5.事例 一その2一
(1) 主訴 「非行」(非行内容一怠学・万引・不良交友等)
(2) 対象 中学校2年女子 H子
(3) 問題の概要
○ 中学校1年の頃,腹痛,頭痛などを訴え50日程度学校を休み登校拒否の徴候がみられた。
○ 中学校2年になると授業を怠けて早退したり,家は出ても学校には登校せず,学校からの連絡で親がわかるなど登校拒否よりも息休・怠学ではないかと思われる行動がみられるようになる。
○ 親が買い与えていないスカート,ブラウス,アクセサリー,化粧品などが,本人の部屋からみつかり,親として万引を疑った。
1) 家庭生活における問題
○ 家庭においては,ほとんど手伝いや勉強をせず,母が注意すると,「お前」,「あんた」など母を呼び「うるせい」などの暴言をはく。
○ 自分の気にいらないものは一切口にせず,食事に対してもわがままで,外食してくることが多い。
○ 母が本人の部屋に入ることを極端に嫌う。
2) 学校生活
○ 授業中,まじめに授業を受けようとせず,他のクラスにいるグループのメンバーにあてた手紙を書いている。
○ 男子生徒Aの遊び資金をカンパで集めようとする。
○ グループで下級生に対し金銭を強要している。
○ 学習成績は下降しつづけているのに,本人にはその自覚がなく,能力不相応の高等学校への進学を希望している。
3) 交友関係
○ 他校の男子生徒を含めた不良グループとのつき合いもあり,夜間外出や,たびたびの夜間における電話呼出しがある。
○ 日曜日はほとんど家にいることがなく,化粧をして派手な服装で外出する。