中学校技術・家庭科研修講座資料材料試験機の使い方-007/26page

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(7)試験片のけがきした裏面を研磨紙で鏡面仕上げする。

4.結果

(1)負荷開始と同時に,つぎの事項を観察する。

 1)降伏点付近まで負荷をかけると,よく磨かれた試験片の表面にリューダース線(ひずみ模様)が現れる。この模様がその部分の降伏を意味する。

 2)この時点で,図2-3に示す荷重―伸び線図のような降伏現象A〜Bが現れる。

 3)この模様はしだいに各所に現れ,伝播しつつついに全面に広がる。この頃から荷重は再び上昇し始める。

(2)(1)の1)〜3)の事柄は,図2-4に示すような結晶のすべり現象が表面に現れたものである。

(3)結晶のすべりとともに加工硬化を起こし,荷重はゆっくり上昇する。

(4)さらに引張力を増加させると変形量が増し,試験片はくびれ現象を起こす。このくびれ発生とともに荷重はゆるやかに下降し,ついに破断する。

(5)破断面の方向は,引張力軸方向とほぼ45°方向である。

(6)試験片を取り外し,平板上で破断面を突き合わせて,けがき線間をノギスで測定する。10mmを超えた区間の総和を計算し,全伸びの実測値とする。

(7)全伸び区間がわかったら,10mm区間の数を数える。区間の数をmとすると,基準長loは,lo=10×mで求められる。

(8)自動記録された荷重―伸び線図の一様

図2-3 荷重―伸び線図

図2-3 荷重―伸び線図

図2-4 すべり線

図2-4 すべり線

図2-5 応力ひずみ線図

図2-5 応力ひずみ線図


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