中学校技術・家庭科研修講座資料材料試験機の使い方-008/26page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


伸び(図2-3)区間を10区間程度に縦に分割し,各伸び量(λ)に対する荷重(P)を読み取り,表2-1の所定の欄に記入する。この値をもとにして,公称応力(σ),公称ひずみ(e)を計算する。

σ=Pn/Ao(kgf/mm2)

No. P(kgf) λ(mm) 公称
σo
(kgf/mm2)
e σa
(kgf/mm2)
εa
1 0 0 0 0 0 0
2            
3            

e=λn-lo/lo


表2-1 実験記録及び計算表例


Pn: λnに対応する引張力(kgf),
lo: 基準長さ(mm)
Ao: 試験前の断面積(mm2)
λn: 所定の伸び(mm)

(9)一般に普通の軟鋼では,σ/E≒0.001,ek=20×σ/E程度である。この弾性域での値は,塑性変形量に比して非常に小さいので,塑性域での応力計算の場合,これらの弾性値を無視して,σa=F・εanと近似してさしつかえない。

ek: 図2-5,
F: 塑性係数,
n: 加工硬化指数
σa: 真応力
εa: 真ひずみ
   

(10)σa,εaは実験により求めることは不可能に近いので,理論計算によって求める。

  ∴σa=σo(1+e)

  ∴εa=ln(1+e)

(11)F,nを図2-6を作成し,εa=1に対応する外挿値としてFを求める。

図2-6 真応力と真ひずみの関係
図2-6 真応力と真ひずみの関係

 塑性係数F及び加工硬化指数nが大きいと塑性変形加工が困難となる。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。