中学校技術・家庭科研修講座資料材料試験機の使い方-012/26page

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6.まとめ

 荷重―伸び線図,図3-2で荷重と伸びが比例している部分では,荷重を取り去ると伸びの量は0にもどる。E点に相当する応力が弾性限度である。E点を越えると荷重を取り去っても伸び量の一部が残る。(永久伸び)つまり塑性変形する。

 一般構造物では,加わる荷重の種類が静荷重,動荷重,くり返しなどにより,引張強さの1/3〜1/15の応力になるように設計されている。

 一方,塑性変形する応力,とくに引張降伏点及び一様伸び(M点までの伸び)は塑性加工において重視される。アルミニウムでは,降伏点が明らかでないが,0.2%の永久伸びを生じるときの荷重を試験片のもとの断面積で割った値を耐力と呼んで,降伏点の代わりとしている。表3-2に標準材料の機械的性質を参考のため示した。

 S15C,S45Cは焼ならし(850〜900℃空冷)した材料であり,*は参考とした推定値である。

表3-2 標準材料の機械的性質

材質 記号 降伏点
kgf/mm2
引張強さ
kgf/mm2
伸び% 絞り% シャルピー衝撃値
kgf/mm2
硬さ
(HB)
機械構造用 S15C 24以上 38以上 30以上 50以上 *12以上 111〜167
炭素鋼 S45C 35以上 58以上 20以上 *45以上 10以上 167〜229
―般構造用 SS34 20以上 34〜44 25以上
圧延鋼材 SS55 40以上 55以上 13以上
アルミ押出棒(H112) Al100BE
Al200BE
耐力2.0以上 7.5以上


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