理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-114/116page
たのしい糸電話をつくろう。
K 糸電話を工夫してつくる ●どの児童も、紙コップにカラードフォルムや色紙を工夫してつかいながら楽しそうに作っている。
○ぼくのは紙コップの上のかざりがゆれるんだよ。
○私はひよこにしたよ。
●紙コップを2個使っている児童も多いようだ。自分の電話ができたところで……。
写真6 楽しく工夫して
糸電話で遊ぼう。
L つくった糸電話で遊ぶ ●体育館で思いきり、電話遊びをさせた。グループでの糸のつなぎ方にもさまざまな工夫が見られた。
○上と下でやっても聞こえるよ。
○ぼくのかざり、声を出すとゆれるよ。やっぱりふるえているんだね。
写真7 紙コップを2こつかって
7 考察
右はこの学習が終ったときのH子の感想である。H子がこのような感想を書くことができたのは、音の伝わり方を耳でよく確かめ、さらに音の震えを目に見えるようにしながら学習することができたからである。
以下、次の3点から考察する。
(1)単元の展開のあり方について
単元の導入では前単元で学習したことを中庭の遊具で確かめてから、音の伝わり方に目を向けさせた。次にひとつひとつ物をつないでいったときの物の伝わり方を学習する中で、音を伝える物の質の面にも目を向けさせることができた。このように児童がそれまで学習したことを生かして考えることができるようにすることや、次の授業で前時で学習したことを結びつけて深めることができるように展開していくことは、事象をひとつひとつつみ重ね、事実をよく見つめることにつながるものと考える。
(2)素材のあり方について
第2時での素材は3種類使った。これはどれも音を伝えやすいものである。しかも3種類に限定し、児童がこれならできると思うものでさせたために意欲的に取りくむことができた。第4時では前時で確かめた素材を工夫して電話をつくらせた。このことから、素材がねらいと直結し、興味をわきたたせるようなものであること、児童の考えに合ったものであること、く工夫の余地が残されているものであることが大切である。
(3)合科的な取り扱いについて
第5時、第6時を図工科との合科的取り扱いにすることによって、それまで学習してきたことを生かし、楽しく糸電話作りや遊びをすることができた。児童の糸電話作りの中で音が振動であることを意識した上での工夫がみられたのは大きな成果であった。