先端技術をとり入れた理科(物理領域)に関する教材・教具-015/47page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


5.電磁誘導、地磁気、イオン検出、心電図、筋電図、地電流などの観測と測定(小・中・高)

 表題のものは、いづれも10-3Vとか10-4Vというオーダーの微小電位差であるため、通常使用されている計器や測定装置では観測・測定ができない。それを可能にする増巾用ICがある。これがOPアンプである。
 これは、種々発表され、多種多様であり、モノシリック型、マルチチップ型、ハイブリッド型に分類され、形状はDILやMETAL CANタイプになっている。理科実験には、低価格で高性能であることが要求される。これに的を絞って述べることにする。なお、OPアンプに供給する電流は最大2mA程度(3.0Vの豆電球は300mA程度である)なので、電力の消費量は非常に小さい。回路は価格の安いOPアンプ使用のものから〔図10〕〔図11〕の順にし、選び易くした。
 一般に価格の安いものは、よくはたらかないのではないかと思われる向きもあろう。ICに関しての価格は習熟度曲線によるといわれている。
 すなわち、需要が多く量産されているもの、人気のあるものの価格が安いということである。
 従って、入手し易く、現在の価格よりも高くなることは、ほとんどないといえる。
 OPアンプを使っておられる方は、回路の電源を見て、これで使えるのか?と思われるだろう。〔図3〕、〔図4〕も同様単一電源でよい。「はたらく」よりも「使える」立場で実習を行っているのでお試しいただきたい。もちろん、品質の向上もあるわけである。
 また、OPアンプによる増巾器を作製した場合、発振に十分気をつけたい。出力端子にオシロを接続して調べる。防止用に電源部にCが入れてある。
 心電の観測など、人体に電極をつける場合に、発振していると電気ショックを受けることがある。十分注意したいところである。
 図10〜14に述べた回路では、表記した用途において、実用上の差はないと考えてよい。

〔図10〕
電磁誘導、地磁気、イオン検出、心電図、筋電図、地電流などの観測と測定

〔図10〕は、汎用uA741Cを用いたものである。
 用途を広げるため、逆相入力端子−、と正相入力端子+にそれぞれ、R.Lの記号をつけて表しておいた。2端子で実験をする場合には、R端子をGNDに接続して、LとGND端子を用いることにする。また、RとLは、心電図を得る場合Rは右手首に接続し、Lには左手首、GNDは左足首に接続して3点導出をするためにつけた記号である。以下〔図2〜4〕も同様であり、差動増巾器として用いる場合は3端子を用いることになる。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。