小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-001/98page

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1 福島県標準学力診断検査問題の概要

本センターでは福島県の小学校1年から6年までの国語、社会、算数、理科の学力診断のために、「福島県標準学力診断検査問題」を作成した。この検査を実施することによって、県全体の学力の水準と、児童各個人、学級、学年の学力とが容易に比較でき、さらに指導上の問題点、留意点なども客観的に知ることができる。
標準学力検査とは一般に次の条件をみたす検査をいう。
1) 検査の対象が明確であり、問題の内容・程度が学習指導要領に準拠し、しかも、領域に偏りがないこと。
2) 受検者個人の得点は対象集団内の相対的な位置を示す得点(これを標準得点という)に変換されて表されていること。
したがって、標準学力検査問題を作成するには、まず、学習指導要領の内容を十分に把握しなければならない。さらに対象集団の正しい縮図ともいうべき標本を抽出して標準化のためのテストを何度か行い、修正を重ねていかなければならない。
1 本検査の問題について
本検査の問題は、多数の経験豊富な教師の協力のもとに、学習指導要領に基づき、当該学年、当該教科の到達度を十分検討し、領域ごとの偏りがないように配慮して、基礎的・基本的なものを選んで作成した。また、問題の難易については予備テストの結果から正答率の極端に高いものや低いものは除いた。そして、各問題については、ねらい、学習指導要領との関連、正答率および正答率の信頼区間などを明記し、児童のつまずきの点、指導の不徹底な点などの診断ができるように配慮し、実際の指導に活用できるようにした。本検査に「診断」の二字を入れたのは以上の理由による。
2 本検査の標準化のための標本について
本検査の標準化のための予備テストの標本数は、1学年1教科当たり700を超す。これらの標本は層化無作為2段抽出法によった。すなわち、学級数による学校規模と学校の所在する地域(特A地区、A地区、B地区、C地区)によって県下の学校を11個の層に分け、各層にその層に属する児童数に比例した標本数を割り当て、1学級の児童数を40名とみて、標本校1校は標本1学級40名として、その層に割り当てられた標本数に見合った標本校を抽出して決定した。なお、1学級40名を割る層の場合は標本校を多くとるなど配慮した。
2段抽出法は、通常精度が下がるのであるが、本抽出では標本数も比較的多く、層化もよく行われたので単純無作為抽出法によって選んだ場合とそうかわりがないと考える。従って、標本誤差の推定にあたっては、単純無作為抽出法によって抽出したものとみなして算出した。
3 本検査の標準得点について
本検査において,個人の教科得点(正答数合計)の標準得点としては、正規偏差値(T得点ともいう)を用いた。正規偏差値というのは、得点の分布がどんなものであろうとも平均値が50、


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