第2回全国研究集会報告書-001/60page

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1 全国教育研究所連盟共同研究計画

1 研究主題 「個を生かす教育指導の在り方に関する実践的研究

2 主題設定の理由

 児童生徒一人一人をとらえ、その個々がもっている可能性を伸ばし生かすことは教育の大原則である。昭和62年8月7日の臨時教育審議会の「教育改革に関する第四次答申(最終答申)」では、最も重視されなければならない基本的な原則として、『個性重視の原則』を改めて提言している。

 ところで、全国教育研究所連盟では、昭和55年度から57年度の3年間、一斉授業の特質を捨象することなく、一人一人の子どもの学習上の状態や適性に対応して「個の学習状態に応じた授業システム」を開発することにより、学習指導の改善を図ることを目的とし「個の学習状況に応じた授業システムの開発(個別化教育)」の共同研究を組織し推進してきた。その結果、大きな成果を挙げながらも「個別化教育のカリキュラムの編成」「集団学習との調和」「教材教具の開発・整備」「情意的側面を重視した個別化教育」等を課題として残し、以後の実践的追究に負うところが多いとしている。

 また、昭和61年度から63年度の間に実施してきた共同研究「自己教育力を育成する学校教育のあり方についての研究」でも、「自己教育力を育成する指導のあり方については総合的に指導していくことが今日の課題である」という指摘があり、さらには、「基礎的基本的な力が創造力(自己教育力)として働くために前提となる個性の伸長を図る必要がある」「子どもの良い面を取り上げて、それを積極的に伸ばす必要もあり、そのために生きる喜びを感じるような場も設けていく必要もある」「教科指導に限定した指導だけでなく、生き方にかかわる指導も進める必要がある」「個別指導と一斉指導の良さを認めながら指導していく必要がある」こと等が提起されている。

 つまり、「個性重視の原則」という提言を受けた教育界の現実は、これまで手なれてきた集団に対する指導や一斉指導の中でも推進可能な「個の能力差や習熟度差に応じた指導一認知的側面を重視した指導」については、今後の課題を抱えながらも、具体的進展が見られるが、「個を生かす指導一個を大切にし、個性を伸ばす指導、情意的側面を重視した指導」と結びついて総合的に推進されているとは言いにくい現状にあるといえる。

 「個性重視の原則」に基づく教育を推進するために、わが教育界の先達たちが磨き明らかにしてきた集団に対する指導法や一斉指導法の長所と認知的な側面を重視した個別化指導の実践とを生かしながら、人間総体として「個を生かす指導」の具体化を図ることは、学校教育の改革を推


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