第2回全国研究集会報告書-040/60page
学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究
―自己啓発を促す校内研修のすすめ方―
福島県教育センター 経営研究係長 八巻勝恵
1.研究の趣旨
学校経営の充実,活性化のためには人的環境の整備が重要である。人的環境の整備は,教育目標具現化を目指して,教職員の協働体制・態勢を整えることである。そこで,校内研修において各先生方の自己啓発を促すための意識態勢,組織体制,企画運営はどうあったらよいかに視点をおいて研究を進めることにし,上記の主題を設定した。
2.研究の内容
(1)校内研修の課題
教員の現職研修については,各学校の教育課題解決にねらいをおき,計画(P),実施(D)評価(S)のサイクルのもと,自己啓発を図りながら進めることが求められる。
そこで,現場の先生方から校内研修について調査した結果,現在最も改善充実を図らなければならない問題点を調査し,P,D,Sの段階毎に解決すべき課題を明らかにした。
(2)「校内研究のすすめ方」の手順,内容の作成そこで,当学校経営部では,教師として指導力を高めるため共同研究の中で自己啓発をどう高めていくかを基底において,上記の問題点を解決するための試案を作り,協力校の実践を通して修正改善し,「校内研究のすすめ方」11項目の手順内容を作成した。
○研究の計画段階 1)個人の二一ズを生かした研修課題の集約の仕方,2)研修課題を生かした研究主題の設定,3)研修意欲を促す研修組のあり方,4)到達目標達成までの過程が明確な年間計画の作成 ○研究の実施段階 5)研修時間の確保と運営の仕方,6)質的改善を図る授業研究のあり方,7)資料の収集活用のあり方,8)協働意欲を高めるリーダーの援助指導のあり方 ○研究の評価段階 9)研究推進における形成的評価のあり方,10)研究推進各段階の総括的評価11)次年度に生かす評価結果の活用 (3)校内研修ハンドブックの作成
上記の「校内共同研究のあり方」の手順内容と,この11項目の中で使われている用語の解説をすると共に研究推進上の問題点についてQ&Aとして解説をし,それらをまとめて「先生方のニーズに応える校内研究のすすめ方」のハンドブックを年度末に刊行する予定である。
3.まとめ
この研究を通して校内研修の重要性を再認識すると共に教師の児童生徒に対する人的環境としての影響の大きいことも再認識できた。この「校内研究のすすめ方」の手順内容により研究を進めて教師の指導力を高めることにより個を生かす人的環境の充実に資するものと考える。