第2回全国研究集会報告書-043/60page

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2)部会主題に関する研究協議内容

 個の存在を大切にし,個の特性を生かすという基本理念のもと,「個を生かす」学校環境の在り方に関する研究についての話し合いが進められた。

 本研究における「環境」は,既に,先の岩手大会において,次の5つの側面からとらえていることは周知の通りである。

○人的環境 ○組織・運営的環境 ○物的環境 ○家庭・地域環境 ○精神・心理的環境

 これらの環境の中で,精神・心理的環境が全てにわたって重視すべきことは,協議の中で何度も確認されたが,今回は,人的環境,組織・運営的環境物的環境の3点についての話し合いが中心となった。

 組織・運営的環境については,学校教育目標の具現化という側面からの話し合いが進められ,教師間の共通理解の阻害要因,学校教育目標と「個」との関わり等が話題となった。

 人的環境については,教職員研修の充実に関する研究・自己啓発を促す校内研修の在り方・進め方が中心的話題となった。ここでは,研修の重要性が再認識され,教師の指導力を高めることが,個を生かす人的環境の充実に資することになることが改めて強調された。

 物的環境については,教育情報環境のあり方が問われ,個を生かす教育指導における教育情報の整備・提供の望ましいあり方が論議された。

3)部会発表に関する研究協議内容

○個を生かす教育指導を考えていても,教育情報の入手が困難であり,時間がかかりすぎる。今後,各県の協力,情報交換を通して,互いに資料の保管・整備と入手活用の望ましい在り方を探っていきたい。

○各県教育センターの教育情報システムの現状報告によると,コンピュータによる資料検索・資料サービス,パソコン通信などによる資料サービス等々教育情報システムの開発が着実に進められている。

○「個」を生かすということから,学校環境を考えていくと,オープンスペースやティーム・テーチングとの関わりからの研究も必要である。しかし,また,オープンスペースとなっていない学校における「個を生かす教育指導」の在り方も,換言すれば,どの学校でもどの教室でも「個」が生かされるという視点からの研究も大事にする必要がある。

○「一人ひとり」を生かすということは,各学校で具体的に進められつつあるので,今後,全教連のテーマをふまえ,「個を生かす」という視点から体系的にまとめていきたい。

○学校教育目標設定の段階で「個」を意識することも大切であるが,むしろ組織・運営面で,「個」を意識した教育指導の在り方を究明していくことも重要視したい。

○教育目標は玉虫色でなく,子どもにとって身近にとらえられ,具現できるものでありたい。さらに,一人ひとりの持ち味を生かすだけでなく,引き出すという姿勢で,教職員が学校教育目標具現のための共通理解をもつ心がけを大切にしたい。

○「個」を生かすという視点から,教育センターの研修について見直してみると,「子どもと


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