福島県の中学校の学習に対する意識と行動-060/115page
く影響を与えていることが分かる。
学習内容の好き嫌いについては,全体的に分数や正負の数の計算など,比較的抽象度が低く取り組みやすい内容を好むような傾向が見られるとともに,図形に関する内容は,好き嫌いがそれほど強く意識されない領域であることも分かる。また,2年時に論理性などの数学的なものの考え方に対する興味・関心が減退するとともに,3年における学習内容の好みが,実際の学習した内容の中でも主に1年段階での学習内容へと集中するなど,ここにも中学1年時における指導の重要性が伺える。
数学に対する意識別に見ると,数学に対して否定的な意識を持つ生徒ほど,図形編や「関数と比例」などの学習内容を好む傾向が見られるとともに,早い時期に成績の不振によって数学嫌いになっている。…方,数学に対して肯定的な意識を持つ生徒でも,数学を難しく複雑であると感じるために数学嫌いになっている生徒が多い。
1)好き嫌い
数学の学習か好きか(学年別) 約2割の生徒が「好き」と答え,「どちらかというと好き」を合わせると半数以上となる(約55%)。また,「好き」とする回答が1年では32.4%あるが2・3年になるとその半分以下に減少する。「どちら〜好き」を合わせた回答の割合も1年で約73%であるものが,2年で約41%,3年ではやや増加するものの約51%にとどまる。
数学の学習が好きか(成績別2年) 成績が低い生徒ほど好きな生徒が少なく,嫌いな生徒が多い。数学が好きな生徒は,中位の生徒では約4割,下位の生徒では,約2割である。