より良く生きるための学力を求めて-028/64page

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特集 指導生徒と学力向上

学習指導部

今年,本センターでは,基本研修一日目の「講話」の後に15〜20分程度の時間を取り,「本県における学力の実態とその対応」と題する全体講義を行った。内容は本県の高校生の「センター試験」など各種テスト結果に表れた学力の分析を中心に,「進路実現を可能とする学力」の低迷に関するものである。小・中・高等学校全ての基本研修受講者を対象として実施した。
このような試みは初めてのものであったが,多くの反響を得ることができたことは幸いであった。この「特集」をお読みの先生方の中にも,聴講された方は多数いらっしゃるものと思われるが,どのような感想を持たれただろうか。
講座終了後の「感想記録」は,担当者はもちろん,本センターの全所員が興味深く読ませていただいた。真摯な感想を多数お寄せいただいたことを,この場を借りて深く感謝したい。最も多かった「感想」は,例えば次のようなものである。
「福島県の学力が他県に比べて高いと思ったことはなかったが,『学力向上』と聞くと詰込みばかりやるような気がして,正直なところ抵抗があったのは事実である。
しかし,本県の高校3年生の『センター試験』結果や各種テスト結果の分析を見て,ちょっとショックを受けた。ここまで低ければ,対応策を考えるのは当然だし,自分も,うかうかしてられないと思った」
(小学校教員)
小・中・高等学校を問わず,このような感想は広く共通するものだった。教育上の課題について,校種を越えて共通の問題意識を持つことはなかなか困難なことであろう。しかし,この「学力向上」については校種を越えた問題意識の共有が,ある程度までできたと,評価できるのではないだろうか。

(写真は,福島市立北信中学校の授業風景)
(写真は,福島市立北信中学校の授業風景)
しかし,一方では,次のような指摘もあった。
「『学力向上』は,新しい学力観の立場に立って考えるのだという。また,学力は『進路実現』を踏まえたものでなければな


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