すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-019/114page
(3)「体ほぐしの運動」を生かす展開の工夫
@ マット運動
「体ほぐしの運動」で関わり合いを深めた児童の意識を考慮し,「集団的な動き」を取り入れました。高度な技ができない児童やできる技が少ない児童でも,友達と一緒に回ったり,続けて行ったりすることで楽しさを味わうことができます。
展開の流れは,「できる技で集団的な動きを楽しむ」,「新たな技に挑戦する」,「できるようになった技を取り入れたり,集団的な動きに磨きをかけたりする」としました。また,マット運動の最後には,班ごとの発表会を位置付けました。
A 跳び箱運動
アナロゴンを含んだ「体ほぐしの運動」での経験を生かすために,技の種類や跳び方の難易度を点数化しました。様々な「体ほぐしの運動」に触れた児童は,同じ跳び方でも踏み切り位置や着地位置を遠くするなど,工夫した取り組みができるようになりますので,その工夫を点数として把握することができるようにしました。
また,関わり合いを深めた児童は,お互いの動きを見合ったり,教え合ったりする力が身に付いてきていますので,自己評価や相互評価の基準としても活用できます。跳び箱運動の最後に班対抗競技会を位置付けることで,練習中も協力して学ぶことができるようにしました。
3 授業で使える具体例
実際の授業で用いた「体ほぐしの運動」,学習カード,集団的な動きの例を紹介します。「効果が期待できそうだ!」というものがありましたら,ぜひ授業に取り入れてみてください。
(1)「体ほぐしの運動」の例
しょって・しょわれて
児童相互の関わり合いを深めることをねらった運動遊びです。 【資料1】のような状態から立ち上がったり,座ったりします。2人でも3人でもできます。息が合わないとうまくできないので,タイミングを合わせようと考えたり,「コツ」をつかもうと周りの様子をうかがったり,友達と相談したりと教え合いの基礎を培うことができます。
しかし,この運動をただやらせているだけでは高い効果は望めません。「話しながらやってみよう。」,「相手を替えてやってみよう。」と声をかけたり,「○○さん達は上手にできたけど,どんなことに気を付けてやっていましたか?」と振り返らせたりする教師の働きかけが非常に大切です。
【資料1】