すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-024/114page
(3)マット運動での集団的な動きの例
一緒に回ろう
【資料11】は,2人の児童が同時に回る運動「一緒に回ろう」です。前転をする児童と後転をする児童がタイミングを合わせて行っています。「もっと速く回らなくちゃ。」とか「ゆっくり回るって難しい。」など,1人で行っていたときにはない発見があります。
2人で同じ技を行ったり,違った技を行ったりと技の組み合わせも楽しめます。また,逆方向から行うなどの工夫を加えることもできます。
【資料11】
シンクロ前転
【資料12】は,複数の児童が次々と前転を行う「シンクロ前転」です。前転自体は簡単な動きですが,友達と一緒に続けて回ることで,個人では味わえない楽しさが味わえます。また,全員が一定のリズムで回らなければならないため,今までにはなかった難しさもあります。回っている児童はもちろん,見ていても楽しい運動です。
児童全員が前転を行えるのであれば,「体ほぐしの運動」として扱うことも可能です。後転でもできますし,レベルが高くなれば跳び前転や開脚前転で行うなどの発展性もあります。
【資料12】
4 おわりに
いかがでしたか。「体ほぐしの運動」には,様々な取り組み方がありますが,今回は,主運動の導入的な位置付けとして行う例を提案させていただきました。
ぜひ児童の実態に合わせて工夫を行い,さらに先生方のアイデアを加えて実践してみてください。「みんなでできる,楽しく学べる体育の授業」を目指して…。
〈参考・引用文献〉
○ 文部省『学校体育実技指導資料 第7集 体つくり運動一授業の考え方と進め方一』東洋館出版社
○ 杉山 重利著『新学習指導要領による小学校体育の授業 F考え方・進め方』大修館書店