すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-045/114page
中学校理科
楽しみながら,主体的に実験・観察ができる教材
はじめに
理科の学習において,「実験・観察の重視」については,以前から強調されてきました。今回の中学校指導要領の改訂では,さらに,「児童生徒が知的好奇心や探究心をもって,自然に親しみ,目的意識をもって実験・観察を行うことにより」というように,学習の内発的な動機づけを大切にし,「目的意識」をもって主体的・意図的な「実験・観察」を行うことをより重要視しています。
そこで本稿では,第1分野の「光と音」において,生徒が楽しみながら,目的意識をもって主体的に探究できる実験・観察の教材と,授業での活用法について紹介します。
[可動式ミラーの製作と活用]
1 教材のはたらきと特徴
光が水中から空気中に進むとき,屈折や反射を起こすという事象は,生徒にとって難解なものです。そこで,水槽内で光路を変えて,光の屈折や反射の様子を簡単に調べることができるようにするために,位置や反射の角度を自由に変えられる写真1のような可動式ミラーを開発しました。構造は,ミラー部と取っ手部に分かれます。
写真2のように水槽のガラス面の両面から磁力で合わせ,取っ手部を動かしてミラー部を回転させたり,移動させたりします。
これとレーザー光源を組み合わせることで光の性質を多面的に調べることができます。
写真1
写真2
2 可動式ミラーの製作方法
材料 フエライト磁石 (4個) アクリルミラー (3p×5p 1枚) 角 棒 (4mm角,長さ6p 1本) アルミ製アングル (長さ6p 1個) 用具 接着剤(耐水) 浴室用シーリング剤(浴室用充填剤) ラジオペンチ