すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-099/114page
教育相談
の考え方を
生かす授業
「人間関係をつくる力」を育てる授業
−指導援助プログラムの活用を通して−
「人間関係をつくる力」を高める指導援助プログラム今,「自分の気持ちをどう伝えればよいのか」「友達とどうかかわったらよいのか」がわからず不適切な行動をとってしまう子供たちの姿があります。そんな子供たちも,心から友達がほしいと思っています。そして,みんなに自分のことを理解してもらいたいと思っています。しかし,その気持ちを伝える方法が身に付いていないばかりに,友達づくりに結び付かない場合も多いようです。
「人間関係をつくる力」を高めることは,今までも学校教育の中で行われてきました。また,遊びの中で自然に身に付けてきていました。しかし,子供たちの現状を考えるとき,これまで以上に意図的,計画的に行うことが必要になってきています。
では,「人間関係をつくる力」は,具体的にどうすれば高まるのでしょう。様々な方策が考えられますが,ここでは,「自分や友達を温かく見つめ,互いにうまく自分の気持ちを伝え合う」ことによって,子供の心と心が結び付くことができるようになると考えました。それは,「人間関係をつくる力」が「自己肯定感」と「人とかかわる技能」の2つの要素と深くかかわるからです。
実際の指導では,「指導援助プログラム」という形で各授業を関連付けて指導にあたるとより効果的です。
「人間関係をつくる力」を高める要素
「人とかかわる技能」 相手の立場や思いを考えながら,自分の思いを効果的に伝えることで,良好な関係をつくることができる力
例)・私は,○○と思うけど,あなたはどう思う。
「自己肯定感」肯定的な「自己理解」「自己受容」「他者理解」「他者受容」から構成され,「自己のありのままを受け入れる力」
例)・自分はみんなに認められている。
ダメなところもあるけど,それも自分だ。「人間関係をつくる力」を高める指導援助プログラム
〈留意点〉
○クラス替えをして友達関係が固定化しない時期(1学期はじめ)に行うと,より効果が上がる。
○本プログラムは,学級活動の時間45分を単位として構成している。あらかじめ年間計画に位置付けて実践することが大切である。
※アサーティブ…単なる自己主張ではなく,相手の立場を尊重しながら自分の感情や意見を表現すること