道徳の授業のとき子供たちが本音で話し合えなかったり,登場人物の心情を深く理解できなかったりしたことはありませんか。役割演技を取り入れると子供の多様な価値観が表れ,話し合いが深まったり,内面化が図られたりします。
一般的に次のように役割演技を行います。
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簡単なウォーミングアップをします。 |
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役割演技をするための必要な条件を設定します。 |
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役割やその場の状況に即して即興的に演技を開始します。 |
4. |
演技を中断して話し合ったり,条件を加えたりします。 |
5. |
演技を再開します。 |
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役割を交代して行います。 |
7. |
演技を終了して話し合いをします。 |
※読み物資料に出てくる登場人物の役になって実施することが多いのですが,役割演技だけで授業を構成することもできます。
※役割演技と混同しやすいものに,「動作化」があります。この「動作化」も道徳の指導法になっているものですが,「動作化」の場合,決まっているせりふや動作の通りに劇表現をするもので,せりふや動作を決めないで自由に演技させる「役割演技」とは違うものです。
こんなことに注意しましょう。
1. |
ウォーミングアップを大切にしましょう。役割演技の直前に行うことも大切ですが,学級活動や朝の会,帰りの会などを利用してウォーミングアップを計画的に行っていくと,より効果があります。 |
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2. |
演技がうまいとかうまくないとかは,ねらいには関係がないことを理解させておきましょう。 |
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3. |
教師も積極的に演技に参加しましょう。 |
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4. |
日ごろから劇的な表現を楽しむ環境を作っておきましょう。 |
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〈ウォーミングアップの例〉 |
1. |
ミラーリング |
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ニ人組みで向かい合い,片方が鏡の役になる。片方の動作をすべてうつす。 |
2. |
ジェスチャ- |
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二人組みで,片方がジェスチャーをして,もう一方がその内容をあてる。 |
3. |
サークルミラー |
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グループをつくり,一人が真中に立ち,ある動作をする。周りの者は,それをうつす鏡の動作をする。主役を交代して行う。
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詳しくは,江橋照雄氏の著書「役割演技ハンドブック」
(明治図書)が参考になります。
役割演技の研修の様子です。教師自らの体験も大切です。