すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-113/114page
道徳の授業を改善する50のヒントの例
発問を工夫しよう
道徳の授業の教材研究をするとき,発問の吟味はたいへん重要なポイントです。発問によって,授業の流れが大きく左右されるからです。発問とは子供の思考を促し,授業の核心に迫るために,教師が発する問いです。もちろん子供の思考は,道徳的なものの考え方や道徳的判断にかかわるものです。発問の大切さをもう一度見直し,よりよい発問で授業を磨いていきましょう。
道徳における発問には次のような種類があります
1. 中心発問 … 授業の山場における発問。ねらいに迫る発問。 2. 基本発問 … 学習指導過程の各過程における欠くことのできない発問。通常3〜4の発問がある。 3. 補助発問 … 中心発問や基本発問を補助する発問。考えを吟味させる「切り返し発問」や「対話を促す発問」などがある。
資料の活用の仕方によって4つの型があります
資料を共感的に活用するための発問例 1. 気持ちや考えを問う ・ ○○はどんな気持ちだったでしょう。 ・ 〜している○○の心の中はどんなでしょう。 ・ 迷っている〜の気持ちはどんなでしょう。 2. 話している言葉を想像させる ・ ○○はどんなひとり言を言ったでしょう。
資料を批判的に活用するための発問例 1. 見解や各自の考えを問う ・ 〜したことをどう思いますか。 ・ ○○の考えや行動についてどう思いますか 2. 各自の考えとそのわけを問う ・ 〜したことをどう思いますか。また,なぜそう思いますか。 3. 具体的な方向を問う発問 ・ ○○はどうすればよかったでしょう。
資料を感動的に活用するための発問例 1. 感動したことを問う ・ ○○を読んで心を動かされたところはどこですか。 ・ どんなところが心に残りましたか。 2. 感動したわけや根拠を問う ・ 自分もみんなも,どうしてこのように感動したのだろうか。
資料を範例的に活用するための発問例 1. 原因・理由・根拠などを問う ・ 〜したのはどんな気持ちからでしょう。 2. 学んだことを問う ・ この○○からどんなことを考えたり学んだりしましたか。
発問は次のことに留意しましょう
@ 子供の意識の流れに沿って一貫性を持つようにしましょう。 A 子供の発達段階を考慮しましょう。 B 発問を精選して,子供が考える時間を十分確保しましょう。