『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-044/142page

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やってみよう

(1) リラクゼーション活動

 @腕を持ち上げて
   (図12) 
 A脚を持ち上げて
   (図13) 
 B頭を持ち上げて
   (図14)

 運動プログラムの効果を高めるためにはリラックスして脱力することが必要です。その感覚をつかむために,二人組の活動を取り入れました。
 脱力の状態を相互に確認しながら,感覚を共有しました。自分の体はもちろん,相手のからだの状態にも気付くことができます。
 うまくいくと気持ちのよい活動です。
〇 一人が仰向けになり,もう一人に腕を持ち上げて揺すってもらう。
○ 理想的な脱力ができると持っていた腕が重く感じる。
○ 予想できないような柔らかな動きも見られる。
○ 揺すり終えて脱力した後の腕を放すときは,静かに下に置く。
図12 腕を持ち上げての脱力
 図12 腕を持ち上げての脱力
(2) 運動プログラム 
 @セルフチェック
   (図7)

  運動プログラムの効果を実感するため,実施前後にチェックを行い感覚を比較します。 関節を調節することで,精神的なストレスを軽減することをねらっていますので,ここでもストレスセルフチェック法(図7)を用います。
 A運動プログラム  
 ア 座位四股(ざいしこ)
   (図15)  
 イ 立位四股(りついしこ)
   (図16)  
 ウ 立位体幹側屈
   (図17)  
 エ 四股捻転(しこねんてん)
   (図18)  
 オ 腰の回旋
   (図19) 

 体の重心をコントロールする関節群を調節するための運動プログラムです。呼吸の方法などにも注意しながら,力を抜いて行うことが重要です。5種類の運動に共通するポイントを以下にまとめました。

○ 各運動を開始する姿勢の段階で呼吸に注意し,息をゆっくり吐きながら脱力する。脱力したまま静かに息を吸い,次に息を吐きながら動作を開始する。カで体を動かすのではなく,体の重さを感じ取り,それを利用しながら動作を行う。その際にリラクゼーション活動で感じ取った脱カ感覚を利用することが有効である。

○ 動作によって痛みが生じる。それに伴い,体のあちらこちらにカが入る。これが,痛みをかばうための筋緊張である。そのときには,動作を少し戻して息を吐きながらもう一度ゆっくりと行う。あるいは,動作を少し戻したところで余分なカを全て抜き,痛みをかばうための筋緊張を和らげるだけでも効果がある。

○ 動作によって生じた痛みが和らぐと,股間節などに「つまっている感じ」や「張っている感じ」といった感覚を自覚しやすくなる。それを無理に引き伸ばすのではなく,氷がゆっくりと溶けるようなイメージで,呼吸に注意しながら柔らかく解きほぐすように行う。

○ 調整される関節の位置もイメージしながら行うと,さらに効果的である。

 

 Bセルフチェック
(図7)
 
ストレスセルフチェック法を行います。授業では,「張り」や「痛み」の軽減を自覚できた生徒が8割に及びました。
 プログラムの実施により,重心をコントロールする関節群が調整され,全身の筋スパズムが軽減された結果です。
ア 座位四股(図15)
ア 座位四股(図15)
 ○ イスに浅く腰掛け,ひざを開く。両ひざの間に上体を落とすようなイメージで,腹から前屈する。
 ○ 余分な力抜いて,腰からぶら下がるような感覚をつかむ。
 ○ 要領をつかむと,1回で効果がある。


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