『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-046/142page
このように,授業以外でも試したいという感想が多くありました。また,家族や友人にも教えてあげたいという感想も複数ありました。理由として,実習した内容の効果を実感できたことと,リラクゼーション活動の心地よさなどを挙げています。折に触れ,「がんばれ」と言われながら,カを込めたり,気力を込めたりすることは多くても,カを抜くことを強調された経験は少なく,新鮮な感覚を味わったようでした。
以上のような感想と授業後のアンケー卜の結果から,今回の実践では「心と体を一体としてとらえる」という考え方について興味を持たせることができました。また,リラクゼーション活動では,自分の心と体の状態へ
3 おわりに
今回は,心と体を一体としてとらえて,体調を整え,ストレスを緩和する一つの試みを提案しました。他にもメンタル卜レーニングなどでス卜レスに対処する方法も多くあります。これらの効果を高めるためには,継続して実施することが必要です。ストレス社会といわれながら,ストレス耐性の形成が遅れている生徒の現状を見ると,このような試みを保健や体育の授業はもちろん,健康教育として学校の教育活動の中に位置付けて,さらに充実させていく必要があると考えます。
〈参考・引用文献〉
○ 白石豊・脇元幸一共著 「スポーツ選手のための心身調律プログラム」 大修館書店
○ 久保健編著 「『からだ』を生きる」 創文企画