『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-091/142page
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3 培養細胞の観察の方法
培養フラスコなどの専用容器は,一般的な正立タイプの生物顕微鏡での観察には不適です。そこで,スライドガラスを工夫することで,一般の生物顕微鏡でも観察できます。
[準備物]
培養細胞,1%ゼラチン水溶液(板ゼラチンを用いて調整)
スライドガラス,シリコンリング(厚さ0.5mm程度),接着剤(シリコン系充填剤)
カバーガラス(24mm×32mm),シャーレ(径90mm),電子レンジ,薬包紙
滅菌スポイト(1〜2m2ml),ピンセッ卜,ろ紙
[方 法]
(1) 培養観察用スライドガラスの作製
↓ シリコンリングの片面に接着剤をつけ,スライドガラスに密着させるように接着し,十分に乾燥させます。
○ シリコンリングの代わりに,ビニルテープを円形にくり抜いて,重ねて貼って(0.2〜0.5mm程度)も同様です。ただし,カバーガラスはテープには直接密着しないので,長期間の培養観察には使えません。
(2) ゼラチン処理
↓ 1%程度のゼラチン水溶液をシリコンリング内のガラス表面にピペットで注いだあと,余分なゼラチン水溶液を吸い取り乾燥させます。
○ ゼラチンは,コラーゲンなどのタンパク質を含み,細胞がスライドガラス表面に接着,伸展するための細胞間物質としてはたらきます。
(3) 簡易滅菌
↓
培養観察用スライドガラスをシャーレに入れる
ゼラチン処理したスライドガラスと薬包紙に包んだカバーガラスをシャーレに入れ,フタをしたあとで,電子レンジで数分間,加熱することにより,簡易滅菌します。
○ 培養細胞を長期間培養しながら観察するためには,カビや雑菌の混入を防ぐ必要があります。
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