『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-093/142page
○ 生きている細胞は光を透過するため,「絞り」を充分に絞らないと像として見づらくなります。また,倍率は200〜400倍程度,十分に明るくして顕微鏡の調整をします。位相差装置があると見やすくなります。
○ 高倍率(40倍以上)の対物レンズを用いる場合には,カバーガラスと接することがあるので注意が必要です。
○ 顕微鏡に光源装置が付いている場合,光源からの熱によりスライドガラスが熱くなると,細胞が弱まるので,観察のときだけ光源を点けるようにします。
○ 注意深く観察すれば,分裂期の細胞が観察できます。分裂終期は比較的早く進むので,5〜10分くらい連続して観察すると2分裂の進行が経時観察できます。分裂期の細胞は,細胞が少し大きく,球状で,底面から少し高い位置で分裂します。
4 高等学校での授業例
ここでは,「体細胞分裂の各時期の時間の長さを調べる」といった課題を設定し,探究活動として培養細胞を活用する授業例を紹介します。
(1) 観察用プレパラートの作製と培養細胞の観察 (第1時)
↓
プレパラートの作製@ 観察用プレパラートの作製
生徒各自が培養観察用スライドガラスに培養細胞を分注し,カバーガラスをかける。・ 長期間培養しながら観察するためには,気泡が入らないように注意させる。
A 培養細胞の観察
培養細胞の形態の変化や移動している様子を観察し,スケッチする。・ 細胞の形態に着目させるようにスケッチさせる。
(2) 培養細胞の観察と課題の設定 (第2時)
↓ @ 培養細胞の観察
培養細胞を観察し,培養細胞の形態の変化や移動している様 子をスケッチする。・ 細胞の形態変化や移動に着目させるようにスケッチさせる。