『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-109/142page
情報ネットワークの教育的活用
「Web小学校社会科学集資料集」の作成と活用による社会化学習指導について
大 塚 克 己
1 はじめに
「21世紀教育新生プラン」では,「『生きる力』を培う観点から,子供の主体的な学習を一層重視する」という項目を掲げています。そして,その解決のために,基礎基本の徹底と個に応じた指導の充実が主要施策として掲げられています。このような流れの中で「新世代型学習空間」の整備が進み,学校における情報ネットワークの利用は,授業改善に向けた様々な情報交換に大きく貢献するものと考えられます。本研究は,個に応じた学習指導を充実するために,Web小学校社会科学習資料集を作成し,社会科学習指導時に情報ネットワークを活用した実践事例です。
2 情報ネットワークを活用することによって期待される効果
児童の主体的な学習を一層重視するためには,一人一人の児童が自ら課題意識を持ち,その課題に対して解決の見通しを立て,計画に従って必要な情報を収集し,それらの情報を整理・活用して,課題を解決していく学習活動の場をつくることが大切です。このような学習活動の場で情報ネットワークを活用すれば,次のような効果が期待できるものと考えます。
@ 学習課題や追究の選択幅を広げ,個に応じたきめ細かな対応ができる。
A 学級間,学年間,学校間,地域・社会との垣根が低くなり,一人一人のよさを生かした学習機会が提供できる。
B 変化とリズムのある学習活動が展開できる。
C 意欲的に学習しようとする態度を育てることができる。
D ものの見方や考え方を幅広く収集することで,事象の意味を広い視野から考えるきっかけが得られ,公民的資質の基礎を養うことができる。
3 活用しやすいWebページの条件
インターネットが普及し,児童の学習資料となる情報も豊富になってきています。しかし,限られた学習時間の中で,基礎基本を定着させるための学習資料となるWebぺージは,まだまだ豊富とはいえない状況です。そこで,児童が社会科学習で活用しやすいWeージの条件を,次のように考えました。
@ 教科の特性を考慮したもので,しかも,基礎基本を徹底するための学習資料となるデータが準備されていること。