『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-134/142page

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◇ 「みんなからの手紙」を実践してみて

 この授業を実施して,ほとんどの生徒が「楽しかった」(97%)と感じており,「いろいろな人と話せてよかった」「あまり話したことがない人と話せて楽しかった」などと答えていました。また,「友達のことに関して発見できた」(94%),「自分のことに関して発見できた」(79%)とも感じており,友達とかかわり合う活動を取り入れ,プラスの事実や感情を伝え合ったことで肯定的な感情交流が図られ,他者理解が深まり,自己理解も進んだことが分かりました。
 このようなことから,この活動を土台にして,「友達のよさを見付け合う活動」を継続できるように計画することが大切になります。例えば,学校・学年行事などに関連付けて事前に活動の意識化を図り,事後に手紙を書いて振り返りを行うと,友達への理解が深まるだけでなく気付きや思いが共有化され,学級の雰囲気もより高まります。 活動例

◇ 指導援助プログラムを実践してみて 

 ここに紹介したものは,「人間関係をつくるカ」を高める指導援助プログラムの中の一実践ですが,プログラム実践前後の意識調査で見てみると,特に,「友達は私のいいところを知っていると思う」「私は友達の気持ちを考えながら話を聞くことができる」「私はみんなと一緒に活動したいと思う」などの項目に大きな伸びが見られました。生徒はこの活動を通して互いのよさを共感し合い,自他の理解を深め,人とかかわる技能の大切さに気付いて共に活動したいという思いを強めたことが分かりました。そのため,学級内にも豊かな人間関係が育まれ,互いのよさを認め合う支持的な雰囲気が醸成されました。 指導援助プログラムを実践してみて 

 このように意図的・計画的な実践を行うことが,一人一人の「人間関係をつくる力」を高めることに結び付きます。
 なお,「『人間関係をつくる力』を高める指導援助プログラム」の詳細についてお知りになりたい方は,福島県教育センター教育相談チームまでお問い合せください。

 

<参考・引用文献>
 ○ 滝  充  編著 『ピア・サポー卜ではじめる学校づくり((小・中学校編)』金子書房
 ○ 安達 昇 他著 『人間関係を豊かにする授業実践プラン50』 小学館
 ○ 國分康孝 監修 『エンカウンターで学級が変わる(小・中・高等学校編)』 図書文化
 ○ 諸富祥彦 著  『自分を好きになる子を育てる先生』 図書文化
 ○ 河村茂雄 編著 『グループ体験による学級育成プログラム((中学校編)』 図書文化
 ○ 『福島県教育センター研究紀要Vol.30』 福島県教育セン夕ー編
 ○ 『すぐに使える実践事例集(平成13年度)』 福島県教育センター編


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